①水にコダワル料理人がきさん
①水にコダワル料理人がきさん

①水にこだわる料理人

水を買って飲むことは、日本の一般的な人では特に珍しい事ではなくなってきた。

「蛇口さえひねれば、水はいくらでも出てくるんだから、それでいいのではないのか?」

と水道水だけで満足している時代ではない。今やコンビニエンスストアやスーパーマーケットの酒売り場へ行けば、他のアルコール類を押しのけるように水のペットボトルのスペースが広がっている。これらの、店舗では必ず多種類の水やミネラルウォーターが手にはいる。最近では、手頃な価格で国産だけでなくアメリカ産、ヨーロッパ産、世界各国、およそ157種類のミネラルウォーターが家庭にいながらにして、味わえるのだから、こんな手軽な贅沢にチャレンジしてみよう。安全で健康にも良くて、美容にもいい水。又、料理に使うか、お茶か、コーヒーか、素材の良さを引き出す水。もっと欲張って、食事の時に飲むか、スポーツの後か、仕事の合間の息抜きか、T・P・Oに合わせた水。水道水ではこんな選択や使い分けは出来ないけれども、ミネラルウォーターはこんなことだって可能です。それに「水は無味無臭、飲んだらどれも一緒」。

こんな認識の人は、考え方を新たにして欲しいものです。ひともそれぞれ違うように、ミネラルウォーターもそれぞれ、味も香りも風味が違うように、実際に飲み比べて見れば、その微妙な違いにきっと驚くでしょう?。ホタルでさえ本能的に好みの水を選ぶのだから、知性も味覚も発達した人間は、甘さや辛さ、舌ざわりや喉ごし、その様々な感覚を味わって、自分好みにピッタリと合ったおいしい水を選んで欲しいと思います。洋服やセーターを一着買うときには、何も考えず店頭にあるものを買ってしまう人はそうはいあい。色、素材、スタイル、価格を選んで、何処に来て行くのか、自分の装いたい不本意に合うか等を、様々な条件を吟味してから決定するでしょう。

自分の好みを知って、個性を生かすこと。これが出来たら相当なものです。失敗も減ってくる。水選びでもこれと同じでしょう。では数多くのミネラルウォーターの中から、どうやって自分にピッタリ合った1本を選ぶのか?この疑問に答えるため、数多くのボトル情報の中で混乱してしまう水選びの初心者に、現在日本で入手可能な157本のミネラルウォーターを試飲して見た。初めは半信半疑で、でも最後には、もう水道水じゃ絶対飽き足りないと思うまでになっていた。その道中には、味にこだわるプロフェッショナル、日本の水ブームを憂慮する団体規制のあいまいさを訴えるメーカー、様々な出会いと発見があった。おいしい水を求める旅。水の美味しさて何だろう。本当に健康、美容に良い水ってあるのだろうか?水選びのポイントは、自分の好みは、自分のライフスタイルは、フランスでは、そして、最後の発見した、おいしい水をカタログを巻末に知るいました。きっとあなたはも自分の舌と感性でユニークな水選びをしているに違いない。自分の好みを知って、ライフスタイル、そして、T・P・Oに合わせて感性を磨く水選び、この醍醐味を多くの人に知ってもらえれば幸いです。

💎素材の味を引き出す厳選した水


・名水のあるところ銘酒あり

週刊モーニング掲載『夏子の酒』のモデルとなった久須美酒造は、創業百五十年。地所内の井戸から豊富に涌き出る水を、酒造りに使ってる。硬度は2、12でペーハーが、7、0少し甘さを感じるこの久須美酒造の水は、熱処理後「きよ泉」の名前で販売されている。長老より「ササニシキ、コシヒカリのルーツにあたる幻の酒米『亀の尾』に勝る吟醸はない」という話しを聞き、種もみから探し出して栽培に成功。大吟醸を世に送り出した。酒造り一筋の職人です。

酒造りに適する水については、久須美酒造は次のように語っています。「酒に使う水は、余分なミネラル分のない方が酒を造り安いそうです。だから水源地に針葉樹を植えるんです。よく杉の木を百本植えると水が涌き出るというけれど、あまり木の葉が落ちなくて、酒に使うのには不向きです。」しかし、飲む水としては、ミネラル分が適度にある方が、美味しく感じるのではないでしょうか、たとえばブナの原生林は落葉してヨードを沢山出し、水のミネラル分を多くしてくれると言う。酒造りにはミネラル分が少ない水が良い。飲むには適度にミネラルのある水が良い。プロフェッショナルにとって水の使い分けは、当然の事のように行われている。特にミネラル分の量が、ポイントと言えるでしょう。

・水の植物

竹や笹、杉の葉っぱなどには、微生物の育成を抑える物質が含まれると言う。昔から汲み置きの水の中に笹の葉っぱを入れてきたのは、水を安全に保つ生活の知恵があった。また、江戸時代、旅人が竹筒を水筒に使っていたのも、便利だと言うことだけではなく、竹の持つ効用を経験的に知っていたからではないだろうか。植物は、お茶のように水を

美味しく飲むためだけでなく、水の安全にも大きな役割を果たしている。

💎水割りには産地の水が美味しい


・文部省唱歌

ーーホ、ホ、ホタルこい

あっちの水はにがいぞ

こっちちの水はあまいぞ

ホ、ホ、ホタルこいーー

・ミネラルウォーター類の品質表示のガイドライン

ミネラルウォーターは、現在160種類以上を超える製品が販売されている。

しかし困ったことに、これまでバー等で提供されていたミネラル分を添加した水割り用の『ミネラルウォーター』と自然水をボトルるに入れた『ナチュラルウォーター』との違いなどがあいまいになっている。また、今までの◯◯山系天然水、自然水、天然鉱泉水、源流水などのネーミングやラベルは消費者が購入する際に惑わされやすく、イメージで選んでしまう傾向があった。さらには、実際の水源とは異なるものをそれと信じて飲んでいるケースもある。このため、1991年4月から農林水産省が『ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン』に沿った表示を行よう、製造・販売会社に要請した。現在、多くの製品が、この指導に従って下記の分類でボトルに品名を明記いている。[国産のみに適用]

〈ナチュラルウォーター〉

特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わないものです。

〈ナチュラルミネラルウォーター〉

ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中または地に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水)を原水としたもの(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)

〈ミネラルウォーター〉

特定の水源より採水された地下水を原水とし、品質を安定させるために、ミネラルの調整、ばっ気、複数の水源から採水した原水の混合等が行われているもの。

〈ボトルドウォーター〉

ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、以外のもの。飲用に適する水。処理方法の限定はない。

💎水はただと言う時代は終わった。


ミネラルウォーター(容器入り飲料水)は、現在どのくらい飲まれているのだろうか。

日本ミネラルウォーター協会などによると、1990年に国内で出荷されたのは国産、輸入と合わせて約一億七千五百万㍑と、前年比と比べて49、5%も増加していると言うから驚きである。特に国内各地の『名水』に加えて、外国産の輸入量がここ数年急増しているらしい。

1986年と1990年を比較すると、全体で5年間に約二倍に増えて、特に外国産の輸入は約二十一倍と驚異的な伸び率で推移しています。これは、水道水の汚染問題が取り上げられたこと。また、最近のライフスタイルにマッチして、水を購入する事が、定着してきたからとだと思われる。一人当たりの消費量を国別に比較すると、1990年でフランス103㍑、西ドイツ90㍑、イタリア97㍑、それに比べて日本は、1、64㍑と、まだまだ外国産には及ばばい。これは、外国に比べて日本の水はもともと硬度が低く、飲み水として美味しいものだからです。しかし、日本でも美味しい水を求める傾向は今後さらに強まり、消費量も伸びることも予想されます。東京のデパート有楽町西武でも、種類の販売コーナーにミネラルウォーターが数多く並んでいます。[国産ものは最近のブームにのって販売されたものが多いが、輸入ものでは、フランスや北欧等の老舗のものに人気があります。」水道水をろ過する家庭用浄水器も売れていると言う。同じデパート広報室では、「"水はただ"から美味しい水へ、お酒と同じ感覚で買い求める人が増えている。」と話す。1991年十一月十七日『産経新聞』朝刊より一部引用


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