バラ色の人生FOCUS


すべての瞬間が一度きりその一瞬一瞬を美しく生きる。

○人生は、芝居とは違って繰り返しがききません。

○人は一度しか生きられないのです。

○今この瞬間を生きる機会はもう二度と訪れません。

○その次の瞬間も、すべての瞬間が一度きりなのです。ならばその一瞬一瞬を美しく生きるにこしたことはありません。

○人生をバラ色に彩りましょう。そのためにも、カーマ・スートラの秘法の免許皆伝になる必要はありません。

○どんな物質も使う必要はありません。そのまったく逆です。最も単純なアイデアこそが最も効果的なのです。

○夢とは、空高く舞い上がらせてくれる天使の羽

○うまくいかなない事はすべて縁を切ってしまいましょう。

○やがてあなたも天使たちのように幸福の絶頂に上る事が出来るでしょう。

○幸福の中で泳ぐことが出来るでしょう。

○生きている間も、いつでも好きな時に私の翼をお貸しします。でも、墜落しないように気をつけてください。

○私をついに幸せの方に空高く上がらせてくれた最初の翼は、ある日、私の中に生えてきたものです。

○おそらくそれだけが、当時の私に残されたすべてのことでした。

○ある無謀な運転手が私の骨を砕き、私は指一本動かせなくなってしまったのです。

○コレクションの中のピン留めされた蝶のようにベットに釘づけになってしまい、まったく身動きが出来ない状態でした。

○頭の中は黒い蝶でいっぱいになりました。それから何年もたって、最初のバラ色の蝶が生まれました。

○そこから何匹かの蝶が育っていきました。そして私の人生が変わったのです。

○ここに収められた言葉はみな、これらのバラ色の蝶の生えかけの羽から生まれたものです。

○あなた自身の蝶を組み立てるのはあなたの仕事です。

○あなたなりのやり方でいいのです。自分の魅力を最大限に生かしましょう。

○そして蝶たちがバラ色に色づき、あなたの頭の中で何匹にも増えていくようにして下さい。

○あなたの精神に翼をつける事と、あなたの蝶たちを育てること。

○そうすれば今度はあなたが、自分自身に翼が生えるのを感じるでしょう。ならばもう翼を張り付ける必要はありません。

○あなたは力をいれなくても魔法のように、ひとりでに飛び立つでしょう。

○古代、労働は奴隷だけがするものでした。何百年もの間、人生の成功者になろうとして逆に、人生そのものを台無しにしてしまうような人は誰もいなかったことでしょう。

○聖トマス・アクィナスは無為をよしとさえしました。労働が普遍的価値になったのは、十九世紀になってからのことです。

○人々その次にやってきたの、彼らはどうしたでしょうか、彼らは人生の中で成功する事を夢見ていました。

● 本当はその前に人生に成功する事を考えるべきだったのです。

● 今では、彼らは殆どみな、ストレスに悩むプロザック・ジェネレーションにあるというわけです。

● 経済危機は、ますます状況を悪くし、イデオロギーの失墜、社会の分裂、硬直した保守主義、エリートの挫折、出生率の低下等いくらでも挙げられます。

● そして、マスメディアは毎日盛んに煽りたて、反響をますます大きくする結果となった。

● 至る所で、完全に包囲された誰もが失望感を感じ、人々にあきらめムードが蔓延しその空気が慢性的に広がりつつあり。あらゆる精神が休眠状態に入った。

● そして、みんな怖がって地下室にもぐってしまい。すでに絶望している人も中にはいたでしょう。

● 私たちは奈落の底いるのではないでしょうか。ならば、視線を少し前に戻してみましょうか。

● 3世代から4世代以前、つまり昨日のことです。

● 1950年頃、45歳だった平均寿命はいまでは85歳に手が届こうとしています。

● 仕事は、人の一生の70%を占めていましたが、今日では120%にすぎません。

● 私たちは、曾お祖父ちゃんや曾々お祖父ちゃんの六分の一しか働いていないのです。しかし話はまだ終わりません。

● 私たちの社会では、今、秘かに労働のたたき売り現象が進行中で、それは経済が発展したためです。

● このままのスピードで進んでいけば、歴史はまた同じように繰り返され未来の人々は今の私たちを見て、まあ、なんてたくさん労働に奉仕していたのだろうと驚くに違いありません。

● 労働は、数ある価値の中の一つです。大部分の価値はいま大きく変わりつつあります。いや、失われつつあるといっても過言ではありません。

● 私たちは、経済的な面だけではなく、モラルの面でもいま危機を持っています。その現象は至る所で起こっています。

● 人類の歴史から見てみれば決して、何も異常な事ではありません。

● しかし、一人の人間の人生の中で見ればまるでタイタニック号の甲板にいるようなもので、果たして沈んでしまうのだろうか。?

● それとも18世紀まで、モラルは天から降ってくるものでした。

● 社会は、教会によって選ばれ言い渡された。

● 冒すべからざる神聖な原則を敬っていました。

● いって見れば価値や規範は外から人間に対して押し付けられるものだったのです。

● 社会がだんだん世俗化してくるに従って、そうした厳格な義務の多くは攻撃されて価値を失いました。

● その結果、人はこの世のものならぬ力に信心深く従うという義務から解き放されました。

● 初めての人間は、自分一人で自分の心に従って自分自身の価値感やモラル的な生き方を選択する素晴らしい自由を持ったのです。

● そして外から押し付けられる命令を拒否できるようになり、そのような人間の前にはめまいがするような虚無が広がっています。

● 人は有史以来の初めて自由なのです。それはいったい何からの自由なのでしょうか。?

● 彼の前には、確かにすべてが自由に開かれていす。そこには、魂も確かな価値もないのではないでしょうか。?

● しかし、励ましになる兆候もすでに現れています。あっちこちで、正義や誠実や寛容や忠義といった価値の復権の動きが見られます。

● 近頃の価値の衝突の中から生き残ってきた強い価値たちです。たとえば、道しるべのない時代の混乱や不確かな未来への反動から、今日では誰もが、自分たちのすぐ身近にいる人たちとしっかりした安心できる関係を結びたいと願っています。

● 人間関係にやさしさと純粋さを取り入れようとしています。そして思いやりや礼儀やちょっとした気配りで、社会的な絆をうまく結ぼうとしています。見知らぬ人同士で交わすほんのちょっとした会話、すいません、お願いします。

● ありがとうございます。

● さようならといったささやかな言葉が、小さな幸せのかけらだということは、

● 私たちはみんな知っているでしょう。かつての万人共通のモラルは、こうして今では個々人のモラルに取って代わられようとしています。まだまだ不十分ですが、それだけでもなんと大きな進歩でしょう。

● しかしながら、かっての天から降ってくるモラルも、時にテレビのアンテナを通して勢いを盛り返そうとすることがあります。もっと大きな見方をすれば、私たちはいまマスメディアによって厳しい試練にさらされているということです。この騒々しい世の中で、いったいどうすれば自分自身を取り戻すことが出来るでしょうか。

● マスメディアがその圧倒的な力で、世界中どこでも同じ画一化されたモデルを受け入れさせようと執拗に迫ってくる中で、どうやって静けさを取り戻し自分のうちに眠る深い叡智を回復させることが出来るでしょうか。?

● このモデルは、イメージとスピードとエモーションを優先し、意味や継続性や理性をおとしめます。私たちの人格を甘やかさず、大切な基盤を風化させないようにするのはとても困難です。家族や学校の中で、成長したり、学んだり、人や社会に貢献したり、世の中にうまく適合していくということは、ものすごく時間と労力のいることです。しかし、マスメディアには、時間、(需要側の倫理)も、労力を評価するような度量(供給の倫理)ありません。型にはまったテレビ用「番組時間枠」の最後には必ず、ヒーローは勝ち、悪者は負け、問題はすべて解決する事になっています。私たちに考える余地はありん。「最後まで勝ち残りたかったら、余計な事は考えるな」というわけです。そして私たちに残された唯一の救は、ゴシップ好きの叔母さんみたいに、テレビのザッピングとお手軽な「ベスト・オブ」に熱中する事だけです。しかし、この叔母さんたちがいきなり革命を起こそうとしても失敗するでしょう。その前に下準備が必要です。まったく別のタイプの革命、内側での静かな革命が。希望は十分あります。もう「遅さ」(あるいわ「怠け」!?)を賛美するこえがあちこちからあがってきているからです。目に見える働きではなくて、意味を第一に考える用という動き、基礎の大切さを考えようという動きが起こっています。人生の価値は、私たちがそこにどんな意味を見出すか、どんな意味を与えるかによって決まりす。そして意味というのは「遅さ」からしか生まれないのです。人間の処理能力をはるかに超える情報量持っているインターネットをいくら使うことが出来ても、頭の中がゴチャチャになって混乱してしまっていたらいったい何の役に立つというのでしょうか、一刻も早く自分の中に静けさを取り戻し、じっと自分の意識や心のささやきに耳を傾け、自分の証、自分の根っこを見つけ出さなければなりません。ゆっくりと時間をかけましょう。そして理解し、自分の養分を蓄えるのです。そうして自分の本当の価値にお金をかけてやりましょう。人生の本当の値段を見つけましょう。単純な事、なんでもないことが、大きな違いを生むのです。人生の中に埋もれているそんな小さな宝を掘り起こしましょう。そうした宝だけが、人生んを魅惑的なものにしてくれるのですから。ゆっくりと時間をかけて、自分の感受性を完全に開かせましょう。今こそのんびりと過ごすときです。直感に従って、リズムを緩め、遊びましょう。ハッピー・ジェネレーションを夢見て。この新しい黄金時代を「そして二十一歳での退職を!」待ち望みながら私はあなたに、世界を動かすよう努力する事を提案します。たとえ一ミリの十億分の一でも!とても単純です。自分の幸せをうまく飼い慣らし、自分の中の生を呼び覚えさせて、人生がバラ色に見えるように魔法をかけるのです。この単純さ、この新鮮さ、あなたの前にはバラ色のカーペットが広がるでしょう。また、幸せというのは伝染しやすいものです。最初の幸せの光線が輝きだしたときから、あなたの周りにもそれが広がっていくでしょう。バラ色の花びらの雨のように。ですから、どうかこの本を手に取って、貴方自身の心の岸辺を一周して見て下さい。貴方という最高の存在を賛美して下さい。の扉を開き、魂の窓をあけ放して下さい。胸一杯に清らかな空気を吸い込んで下さい。貴方の中に眠っている、そしていままさに開花かんとしているアイデアや感情や感性や欲望を、呼び覚まして下さい。貴方の中にもう存在していながら、でもまだきちんとした言葉で表現されていなかった、そんな計画やイメージに具体的な形を与えて下さい。もちろんあなたは、ここに収められたいくつかの提案すべてに賛成できるわけではないでしょう。もしかしたらこのほかに、貴方の経験から生み出された新しい提案を付け加えたいと思うかもしれません。ぜひそれを他の人にも教えてあげたいと思いませんか?いま、この本の続編をつくろうと準備中です。出来たらぜひとも手紙を送って下さい(Dominiue Glocheux,La vie en Rose,50 avenue Foch 75116 Paris 「バラ宮殿Palais Rose」があったところです。嘘じゃありません)。さて、さしあたって今私にいえるのは「ボン・ボジャージュ(良い旅を)」ということだけです。どこか素晴らしいいいいい旅をされることを、このバラ色の世界はディズニーランドではなく、お金のかかる幸せのスーパーマーケットでもなく、ましてやお気軽な哲学のファーストフード・ショップでもありません。しかし人間は、今おそらく初めて、自分自身の内部に、人間が地上に降り立って以来とい続けてきた問題、「自分は誰なのか」「自分はどこから来たか」「自分はどこへ行くのか」という問題に対する答えを見つけようとしているのです。私には今夢がある。(I HAVE A DREAM TODAY)この言葉を胸に私たちは、多くの人が世界的な破滅の危機しか見ていない今こそ、再生への希望につながるかけに出て見ようではありませんか。少なくともこの転換期をうまく利用する気貴さを持とうではありませんか。あまりにも純朴で理想的な、天使主義(アンジェリズム)は禁物です。それは幼想でしかありません。哲学者たちはすでに遥か昔からそのことを見事に言い表しています。[天使を創るものは獣も創る]と。しかし結局、彼らは、パリからニューヨークまでのほうが、パリからサン=フルール(フランス中部カンタル県の首府、標高八百八十一メートル)までより近く、インターネットのおかげで、世界のはてから自分のアパートの管理人に、通話料金だけで電話する事が出来るような時代がやってくるという事を生涯知らないままでした。それを知らなければおそらく、人間の境界が乗り越えられようとしているその夜明けに、自分たちがいま立ち合っている事を理解できなかったでしょう。けれども今の私たちは、「いずれはあらゆる宗教や哲学が全世界的に融合、和解する」そんな夢を見ることも許されるのではないでしょうか。どうですか?素晴らしい展望でしょう。さて、そこで世界をその方向に進める手伝いをしてみませんか。たとえ一ミリの十億分の一でも。世界を、そして世界とともに進んでいく自分の人生を、ゆっくりと変えていく決意をしませんか。新しい生き方、新しい価値、もっと充実した人間関係の幕を開けましょう。もっと大きく、もっと強く、もっと美しい人間関係を、バラ色の幸せを。蝶のような軽さを。頭の中をバラ色の蝶で一杯にしませんか。最初のパビヨンジェネレーションになれるかどうか、決めるのはあなたです。「蝶効果」という名前で話題にになった気候学者エドワード・ローレンツの決定論的カオス理論をご存じでしょうか。ブラジルで一匹の蝶が羽を羽ばたかせると、世界のもう一方の端で台風が発生するという理論です。だったら無数の蝶の大群の効果がどんなものなのか、ちょっと想像して下さい。十匹、百匹、千匹、数百万の蝶、すべてバラ色の蝶効果を!美しい蝶となったあなたに良い風が吹く事を、そして、この人生をうまく生きていかれることをお祈りしています。

一九九七年三月ロスアンゼルスのヴェニス・ビーチにて

ローズ・アヴェニューの蝶の羽ばたきに誘われて

ドミニック・グロシュー